「制御できるものと制御できないものを区別しなさい」- エピクテトス
ふんわり偉人解説4人目は古代ギリシャのストア派哲学者エピクテトス。
……誰ぇ?と思われた方、エピクテトス先生は哲学の父”ソクラテス”に並ぶ偉大な御方ですよ!
彼の思想は奴隷という当時冷遇されていた立場からは想像し得ない達観したもので、現代社会にも通用する普遍的な知恵に溢れています。
本日エピクテトス先生からストア派の教えの一端を学びストイックに生きるとは何かを考えてみようではありませんか、それではLet’s GO!!
エピクテトスの生涯
奴隷としての誕生と若き日のローマ時代
紀元50年頃、現在のトルコで奴隷として生まれる。
若くしてローマに連れて来られ、ネロ皇帝の解放奴隷エパフロディトスの奴隷となる。
ムソニウス・ルフスからの学び
ストア派哲学者ムソニウス・ルフスの下で哲学を学び、後に自由の身となって哲学を教え始める。
哲学者追放令とニコポリスへの移住
ドミティアヌス帝によって哲学者追放令が出され、ギリシャのニコポリスに移住する。
弟子アッリアノスによる著作の記録
エピクテトスは自身で著作を残さず、
弟子のアッリアノスによって『提要』や『語録』として記録される。
エピクテトスという名は生まれつきではなく、どこかの誰かに付けられた名前だそうです。
名付けからしてぞんざいな扱いですが、彼の人生はそれを物語るように壮絶なものです。
そもそも奴隷であることから始まり、足に障害を持ち動きづらく、売り飛ばされたり、国外追放されたりと散々な日々。
こんな境遇に置かれたら誰でも非行に走る!……はずなんですが、幸運にも彼はムソニウスという哲学者のもとで哲学を学ぶことができ、人生観が一変。
ギリシャ貴族達の豪勢な暮らしを奴隷の身分から見ていたはずなのに、どうやら興味すら無くなったようです。 彼は貴族たちをしり目に頬杖をついて筆記する余裕すらありました。

流石はストア派哲学の巨匠!ふてぶてしさもストイックだ!
そんな御方の考えを詳しく紐解いていきます。
エピクテトスの思想
制御できるものと制御できないものの区別
「権内にあるもの」と「権外にあるもの」を明確に区別することが重要である
ぱっと見で権内・権外ってなんだ?となりそうなので補足します。 権内とは権力の内側、つまり「権内にあるもの」(自分でコントロールできるもの)と、「権外にあるもの」(自分ではコントロールできないもの)を区別しなさい、という意味です。
エピクテトスによると人生の幸福は外的な出来事ではなく、それらに対する私たちの態度や反応によって決まる。 感情、欲望、判断といった内面のあり方こそが、真の幸福の鍵を握っている、とのこと。
私たちは他人の行動をコントロールすることはできませんが、それに対する自分の反応は選択することができるのです。
逆境への対処
困難な状況に直面した際にも平静さを保てることこそ重要
逆境をネガティブにとらえるのではなく、自己成長の機会ととらえる姿勢は現代のポジティブ思考の源流と言えるでしょう。
病気や失業などの困難に直面した時、それを嘆くのではなく、そこから学び、強くなる機会と捉えることができるかで人生への見方は大きく変わりますね。

理性の重視
人間の理性的能力を重視し、「心像(印象)の正しい使用」、つまり心に浮かぶ様々な考えを適切に扱う能力を重要にすべし
SNSの発達による情報過多の現代社会において、自分の考えをしっかりとコントロールする力は不可欠。 エピクテトス先生はフェイクニュースに惑わされたりはしない!!
我々も先生を見習って情報に振り回されるのではなく、自分の理性で吟味し、適切に判断することが大切ですね。
人間の尊厳と平等
奴隷という最下層の立場から、人間の尊厳と平等を説く
当時の奴隷状況がどのくらいヤバいか想像も付かないのですが、その立場から哲学を生み出したエピクテトス! 既存の社会秩序や権力構造に挑戦する革新的な思想は、現代社会でもチャレンジの精神を忘れるな、とも受け取れますね。
人種、性別、社会的地位などに関わらず、全ての人間が尊重され、平等に扱われるべき……現代社会においても非常に重要な理念です。
エピクテトス先生には絶賛とんでもない事になってる現代社会にモノ申して頂きたいものです(レスバ強そう)。
日常生活の中で哲学を実践することの有用性
実践的なアプローチとして、エピクテトスほどでは無いにしても、誰しもが嘗てのギリシャ貴族達のような贅沢を望む必要はないでしょう。 「ストイック・チャレンジ」のような取り組みを通じて、質素でシンプルな生活を送り、人生の本質的な価値について考えを深めるのも悪くない。
試しに一週間、不要な物を買わないと挑戦をしてみることで、物質的な豊かさと心の豊かさについて考えを深められるかもしれませんね。
感想
振り返ってみるとエピクテトス先生の教えは確かにストイックではありますが、THE正論ってイメージがしますね。 厳しさというか心構えと言いますか、それでいて実践的でもあり学びは多い。
外的な出来事に左右されず、内面の平和を維持することや、自分でコントロールできるものとできないものを明確に区別する考え方は、私たちの日常生活に直接的に役立ちます。
調べてみたところ、ストア哲学とマインドフルネスには多くの共通点があるようです。
現在の瞬間に意識を向けることで、心の平静を保つことができると。私は瞑想(マインドフルネス)を趣味としてやってるので、先生に近づけるようでなんだか嬉しいです。
彼のように逆境を自己成長の機会と捉える姿勢や、尊厳と平等の心を持つこと、現実を受け入れる姿勢なども、私たちの人生をより豊かにしてくれる。
エピクテトスの思想はストア哲学の基盤をなし、現代に至るまで多くの人々に影響を与え続けています。 悠久の時を経てなお、彼の知恵は色褪せることなく、私たちにより良く生きるための指針を提供し続けているのです。
エピクテトス先生、タメになる授業をありがとう!!
ほなまた!
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